
佐久間奈緒、Five Brahms Waltzes in the Manner of Isadora Duncanをご紹介します。
20世紀初めに活躍したモダンダンスの先駆者イザドラ・ダンカン。アメリカ出身の振付家・ダンサーで、重力に逆らうような上向きの動作や形式的な美しさという古典バレエの原則に反発し、身体にとって自然な動きを中心とした舞踊を創り上げました。本作はその”裸足のイザドラ”と称されたアメリカの異才の踊りに想を得て、英国を代表する振付家、フレデリック・アシュトンが振付したソロ作品です。
アシュトンは若き日、ダンカンの奔放で情熱的な踊りに魅せられ、後年その記憶をふまえて女性独舞を創ります。1975年、ドイツ・ハンブルクでのガラ公演において名花リン・シーモアのために原型が振付され、その翌年現在の形へと拡大されました。
音楽はブラームスによる5つのワルツです。ローブに身を包み、裸足で踊られる力強く情感豊かなダンス。クラシック・バレエの枠を突き抜けた、ダンカンへの愛と敬意に満ちた踊りは、今なお新鮮で色あせません。
佐久間奈緒(元英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル)は、英国バレエの名作の数々に主演し称賛を浴びてきました。円熟した表現にご注目ください。
