展覧会概要
世界で非常に高い評価を受けている日本のアニメーション。「anime」という単語が日本製アニメーションを指す言葉として使われるなど、今や日本のアニメーションは一種の芸術作品として扱われています。
日本のアニメーションが本格的に始動したのは第二次世界大戦後、当時のアニメーションは予算や人手の問題から「ストーリーの固定化」、「絵の動く場所の限定」、「同じシーンの使いまわし」などの手法がとられていました。
転機となったのは高畑勲(1935~2018)が1968年に演出を務めた、『太陽の王子ホルスの大冒険』です。大量の作画の使用、「村=共同体」という難しいモチーフへの取り組みは、大人の鑑賞にも耐える冒険ファンタジーの可能性を切り開き、多くのアニメーターに影響を与えました。
アニメーションの制作で初めて海外ロケハンを実施するなど徹底したリアリズムの追求、戦後の経験を現代と地続きのものとして語り直す独自のスタイルなどによって、高畑は子供向け・大衆娯楽といったイメージであったアニメーションを芸術へと昇華させていきます。また、今日では定着している、固定のメインスタッフが制作全体を統括する「レイアウトシステム」を確立、演出意図の徹底と原画の質の引き上げを図ったのも高畑の功績です。
アニメーションの制作現場における高畑勲の役割の特徴は、自分では絵を描かない「演出家」であることです。
本展では、高畑演出の「こだわり」を、制作ノート、絵コンテ、原画、セル画、映像などによって明らかにするとともに、その「こだわり」がどのように日本のアニメーション形態を進化させ、他の作品に影響を与えていったのかを通観できる展示となっております。
展覧会情報
福岡展
会期 | 2021年4月29日(木・祝)~7月18日(日) |
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会場 | 福岡市美術館 〒810-0051 福岡県福岡市中央区大濠公園1-6 |
開館時間 | 午前9時30分~午後5時30分(入館は閉館の30分前まで) ※7月の金・土曜日は午後8時まで開館(入館は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日(ただし、5/3(月・祝)は開館、5/6(木)は休館) |
主催 | 西日本新聞社ほか |
企画協力 | スタジオジブリ |
協力 | (公財)徳間記念アニメーション文化財団 |
制作協力 | NHKプロモーション |
お問合せ | 092-714-6051(福岡市美術館) |
東京展※東京展は終了しました。
会期 | 2019年7月2日(火)~10月6日(日) |
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会場 | 東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー 〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1 |
主催 | 東京国立近代美術館、NHK、NHKプロモーション |
企画協力 | スタジオジブリ |
協力 | (公財)徳間記念アニメーション文化財団 |
協賛 | 凸版印刷、西武造園 |
岡山展※岡山展は終了しました。
会期 | 前期:8月1日(土)~9月8日(火) 後期:9月19日(土)~9月27日(日) |
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会場 | 岡山県立美術館 〒700-0814 岡山県岡山市北区天神町8-48 |
主催 | 岡山県立美術館、山陽新聞社、RSK山陽放送 |
企画協力 | スタジオジブリ |
制作協力 | NHKプロモーション |
協力 | (公財)徳間記念アニメーション文化財団 |
特別協賛 | 三幸工務店 |
協賛 | 凸版印刷 |