ハニワと土偶の近代
展覧会概要
出土遺物を美的に愛でる視点はいつから芽生え、一体いつから出土遺物は美術作品のなかに登場するようになったのでしょうか。戦後、岡本太郎やイサム・ノグチによって、それまで考古学の資料として扱われていた出土遺物の美的な価値が「発見」されたというエピソードはもはや伝説化しています。「縄文vs.弥生」というきわめて分かりやすい二項対立の語りは、1950年代半ばに建築・美術にかかわる人々の間でいわゆる「伝統論争」に発展しました。しかし、近代以降、地中から掘り出された遺物に着目した人物は彼ら二人にとどまりません。出土遺物は、美術に限らず、工芸、建築、写真、映画、演劇、文学、伝統芸能、思想、さらにはテレビ番組にいたるまで、幅広い領域で文化現象を巻き起こしてきました。
なぜ、出土遺物は一時期に集中して注目を浴びたのか、その評価はいかに広まったのか、作家たちが遺物の掘りおこしに熱中したのはなぜか——本展は美術を中心に、文化史の舞台に躍り出た「出土モチーフ」の系譜を、明治時代から現代にかけて追いかけつつ、ハニワや土器、土偶に向けられた視線の変遷を探ります。歴史をひもとき、その複雑な機微を知ることで、私たちの足下に積み重なる文化的・社会的な「地層」が浮かびあがってくるでしょう。
展覧会情報
会期
2024年10月1日(火)~12月22日(日)
※会期中、一部作品は展示替えがあります。
会場
東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
休館日
月曜日 (ただし10月14日、11月4日は開館)、 10月15日(火)、 11月5日(火)
開館時間
10:00 — 17:00 (金・土曜日は 10:00 — 20:00)
※入館は閉館の30分前まで
主催
東京国立近代美術館、 NHK、NHKプロモーション、 毎日新聞社
協賛
JR東日本、 光村印刷